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サントリー美術館
サントリー美術館
東京都港区赤坂9-7-4 :六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階
「東京ミッドタウン」 21世紀の日本を代表する街、
世界に類を見ない独創的な街が誕生しました。


“Mono no Aware” and Japanese Beauty

心動く瞬間。 名品でたどる抒情の系譜

「もののあはれ」と日本の美

 平安時代から使われてきた 「もののあはれ」 という言葉は、現代を生きる私たちにも雅な響きをもって耳に届きます。人生の機微や四季の自然の移ろいなどに触れた時に感ずる、優美で繊細なしみじみとした情趣を意味し、今私たちが心癒される美しさと無縁ではありません。

平安時代からの貴族の暮らしの中で、春の桜、秋の紅葉や秋草、鶯や時鳥などの季節の移り変わりを告げる鳥、夜空に輝く月や冬に降り積む雪が、 「もののあはれ」 を誘う風物としてこよなく愛されてきたことは、各時代の文学や、芸術作品に明らかです。


会期: 2013 4/17(水)〜6/16(日) 展覧会は終了しました。
※作品保護のため、会期中展示替えがあります。
休館日:毎週火曜日

開館時間:10時〜18時 (最終入館は閉館30分前まで) ※金・土は20時まで開館
※shop x cafe は無休。
※開館情報は今後の状況により変更する場合があります。詳しくはホームページで公開しています。

会場:サントリー美術館 六本木・東京ミッドタウン ガレリア3階



画像をクリックすると大きな画像でご覧いただけます。

【「もののあはれ」と日本の美】プレス内覧会

“Mono no Aware” and Japanese Beauty
「もののあはれ」 と日本の美
'2013 4/16 プレス内覧会の模様


自然の移ろいや人生の機微に触れた時に感じる日本の雅びな情趣

本展覧会では、自然の美しさを描いた絵巻や屏風、漆工や陶磁器などから平安時代以来の美術の流れを辿り、日本の美の根底に息づく 「もののあはれ」 をめぐる美的理念や、自然の移ろいに心動かされた人々の思いを明らかにしていきます。
現代を生きる私たちに深い共感を誘う抒情豊かな美術の世界を、ゆっくりと心ゆくまで鑑賞します。

《 展示構成 》 NEWS RELEASE No.11663、「『もののあはれ』と日本の美」カタログより抜粋文を掲載しています。

第一章 「もののあはれ」の源流 貴族の生活と雅びの心

第二章 「もののあはれ」という言葉 本居宣長を中心に

第三章 古典にみる「もののあはれ」 『源氏物語』をめぐって

第四章 和歌の伝統と「もののあはれ」 歌仙たちの世界

第五章 「もののあはれ」と月光の表現 新月から有明の月まで

第六章 「もののあはれ」と花鳥風月 移り変わる日本の四季

第七章 秋草にみる「もののあはれ」 抒情のリズムと調和の美

第八章 暮らしの中の「もののあはれ」 近世から近現代へ

【主な出品作品】
国宝      寝覚物語絵巻     一巻 平安時代 12世紀 大和文華館蔵
国宝      扇面法華経冊子   一帖 平安時代 12世紀 四天王寺蔵
重要文化財  小野雪見御幸絵巻  一巻 鎌倉時代 13世紀 東京藝術大学蔵
         源氏物語図屏風 「須磨・橋姫」 六曲一隻 江戸時代 17世紀 サントリー美術館蔵
         源氏物語図屏風 「賢木」 土佐光吉筆 二曲一双 桃山〜江戸時代 16〜17世紀 サントリー美術館蔵
         源氏物語画帖 住吉如慶筆 一帖 江戸時代 17世紀 サントリー美術館蔵
国宝      時雨螺鈿鞍        一背 鎌倉時代 13世紀 永青文庫蔵
国宝      浮線綾螺鈿蒔絵手箱   一合 鎌倉時代 13世紀 サントリー美術館蔵
重要文化財  小倉山蒔絵硯箱       一合 室町時代 15世紀 サントリー美術館蔵
重要文化財  秋草蒔絵歌書箪笥     一基 桃山時代 16世紀 京都・高台寺蔵
重要美術品  秋草蒔絵鏡台        一基 桃山時代 17世紀 サントリー美術館蔵
重要美術品  秋草図屏風  尾形光琳筆 二曲一双 江戸時代 18世紀 サントリー美術館蔵
重要文化財  『紫文要領』   稿本 二冊 本居宣長著 江戸時代 宝暦13年(1763) 本居宣長記念館蔵
重要文化財  『石上私淑言』 稿本 二冊 本居宣長著 江戸時代 宝暦13年(1763)頃 本居宣長記念館蔵
重要美術品  月夜山水図   長澤芦雪筆 一幅 江戸時代 18世紀 頴川美術館蔵 /etc.

「もののあはれ」 という言葉は、平安時代や鎌倉時代を生きた宮廷をめぐる貴族たちの情趣深い生活の中から生まれました。
『源氏物語』 の各場面には、登場人物が 「もののあはれ」 を感じる様子が克明に表現されており、とくに 「賢木」 や 「須磨」 「浮舟」 の段は、屏風や絵巻、漆工などにおいて単独の主題としても愛好されました。 『伊勢物語』 や 『枕草子』 をめぐって、また紫式部や清少納言など作者たちは、平安時代の美意識を象徴する存在です。
中世に入ると、世の中の無常観と結び付き、「もののあはれ」 という言葉も哀感を帯びる傾向が強くなります。和歌と絵画との三十六歌仙など歌仙絵が描かれるようになり、また鎌倉時代から室町時代にかけて、秋草や月を情趣深く意匠化した硯箱などの作品が多数制作されました。
近世初期には、季節の移ろいを受け止める 「もののあはれ」 の美意識にも変化が生まれます。例えば高台寺蒔絵の秋草の表現には、桃山時代らしいおおらかで闊達な造形感覚がうかがわれ、また江戸時代の土佐派や狩野派の花鳥画には、「もののあはれ」 を誘う花や鳥が現世を謳歌するように描かれています。
18世紀の国文学者・本居宣長 (1730-1801) が、『源氏物語』 と関連づけて 「もののあはれ」 を論じたことから、「もののあはれ」 の解釈に多様な広がりがもたらされました。またこの時代の 「もののあはれ」 の美意識は、浄瑠璃や浮世絵など文学や芸術の分野を超えて人々の暮らしの中に浸透し、それは変化をみせつつ今も尚、私たちに大切に受け継がれています。

以上全八章の展示構成により、各章で普段見ることのできない数々の珍しい国宝や重要文化財、重要美術品など貴重な作品を眺めることによって、一千年前の歌仙たちや光源氏の繊細な表情と対話してタイムスリップ、「もののあはれ」と日本の美に通じる情趣の源流を辿ります。


日本の美をめぐる千年の旅

そこには、千年あまりに及ぶ日本人の心の襞を手繰るような、幅広くも奥深い世界が見えてきます。


狩野永納筆「春夏花鳥図屏風」
田中訥言筆「若竹鶺鴒図屏風」
仁阿弥道八作「色絵桜風文透鉢」

「春夏花鳥図屏風」
狩野永納筆
六曲一双 江戸時代 17世紀
サントリー美術館蔵

「若竹鶺鴒図屏風」
田中訥言筆
二曲一隻 江戸時代 19世紀
名古屋市博物館蔵

「色絵桜楓文透鉢」
仁阿弥道八作
一口 江戸時代 19世紀
サントリー美術館蔵


お問合せTel:03-3479-8600
サントリー美術館公式サイト:http://suntory.jp/SMA/
主催:
サントリー美術館、朝日新聞社
協賛:三井不動産、三井住友海上火災保険、サントリーホールディングス



参考資料:NEWS RELEASE No.11663、NEWS vol.244、【「もののあはれ」と日本の美】カタログ他。
※写真撮影、掲載は主催者の許可を得て行っています。


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